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中国江西省の化学工場 有毒物質漏洩

2010年10月12日

【新唐人2010年10月12日付ニュース】10月9日午後、江西省新餘市の化学工場で化学物質の漏洩事故が起きました。強烈な刺激臭が発生し、中毒者も多く出た模様です。市内はパニックに陥り、多くの市民らがとなりの町に避難する騒ぎとなりました。

10月9日午後5時頃、新餘市の「前衛化学工業有限公司」で冷却器のパイプが突如破裂し、無水マレイン酸 の気体が大量に漏れ、市内全体に拡散。

大陸メディアは市民の張さんの話を引用。「家にいると、強烈な刺激臭がしてきた。その後、市民らは次々と避難し始め、夜7時頃には互いに電話で知らせあったが、電話回線はすでにパニック状態。事故現場は新餘市の北側なので、南にある友人の家に避難した。近隣の町に避難した人も多い」

情報によると、新餘市北部の市民らは呼吸困難や涙、鼻水、のどの痛みなどを訴えているそうです。しかし、当局は事故発生後直ちに情報開示を行わなかったため、市民の様々な憶測を呼びました。ネット上の掲示板にはこの事故に関する書き込みが殺到しています。

夜9時過ぎにようやく新餘市政府がテレビを通じ、この事故で無水マレイン酸が漏れたことを公表。しかし、人体に対して有害性はほとんどないため、死に至らないとし、パニックにならないよう市民に呼びかけました。

有害性は少ないと当局が強調しましたが、多くの市民はマスクを購入。事故当日は雨だったため、酸性雨を恐れ、外出も控えているそうです。新餘市政府宣伝部の発表では今回の事故で90名が身体の不都合を訴え入院。しかし、現地住民の話によると、事故初期にすでに5名の死亡者が出たそうです。

当局は、化学工場の通報が遅れたため救援作業に支障が出たとの理由で、工場にすでに営業停止を命じたと発表。これに対し市民からは、「政府の対応が遅いだけでなく、情報隠蔽が疑わしい」との声も聞かれました。

当局が有害性はないと発表した「無水マレイン酸」。調べによると、弱酸性で腐食性があり、主に工業用の樹脂の原料や農薬などにも使われ、一定の毒性を持ちます。人体がその粉末や蒸気、高温液体に触れると、やけどを負ったり、結膜や角膜が赤くなったり、さらには失明の危険すらあります。

新唐人テレビがお送りしました。
http://ntdtv.com/xtr/gb/2010/10/12/atext441779.html
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